2022年08月26日

裏書

記念置時計.jpg
掛時計は広めの空間が必要になるので、小振りな置き時計を集めた時期がありました。その頃の時計には「〜記念」と書かれていることが多いのです。この時計にも「小諸銀行」と入っています。小諸銀行は不況の中、昭和3年に多くの銀行と合併し県下最大の「信濃銀行」となりましたが3年ほどで整理されてしまいました。昭和初期の金融不況の深刻さを物語っています。昭和初期の精工舎カタログにこの時計が載っていますので、解散記念だったのではと推測できます。この裏書が無ければ、長野県の銀行の歴史を調べることも無かったとは思いますが、ただ数多の置き時計の中からこの山羊のものを選んだ理由はなんでしょう。
posted by 代表 at 17:34| 時計の話

2022年08月20日

誰ぞ常ならむ

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素早く反応し答えを導き出すのは、どちらかといえば求められる能力であることが多いのですが、長い目で見るとその答えが正しくなかったということも多々あります。クオーツ腕時計が世界を席巻していた当時は「日本式」が称賛されていましたが、今はなにやら世界から取り残されたような言われ方をされています。コロナ禍の対応にしても、日本人の清潔さなどが取り沙汰され民族の優秀性を言葉にする政治家もいましたが、統計の取り方が公平でないことがあったとしても、最近の感染者数が世界一になったことをどのようにみているのでしょうか?しかし地球の歴史に比べれば、人ひとりの時間の長さはアッという間です。いつも何かを決めていかなければならないことも確かですから、間違いを認めることに何の問題も無いのですが、まるで無かったことのように記憶にございませんと言い放つのはとても腹が立つし悲しい。
posted by 代表 at 13:46| 日常

2022年08月12日

苦手だったこと

塩の結晶.jpg
我が家の子供の自由研究用に顕微鏡にデジタルカメラを接眼レンズに近づけて撮った塩の結晶です。思い起こせば
夏休みの楽しさを半減させるのが、「読書感想文」と「自由研究」でした。読書感想文は感想というよりはあらすじをを書いて、必要枚数を埋めるだけでした。自由研究は、先送りしてゆくうしろめたさを気にしながら、言い訳をどうするかを考えていました。言い訳はなんとかなりますが、研究は全く何をすれば良いか見当もつきませんでした。当時は一クラス50人近くでしたから先生も忙しかったでしょうし、夏休みなどない親に聞くこともままならずでした。今でも「読書感想文と自由研究」と聞くと苦い思いがよみがえります。
posted by 代表 at 17:14| 日常

2022年08月03日

世に連れる

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1980年代は本当に仕事が忙しい時期でした。時計業界はデジタル化の波の中で電気業界等からの進出もあり、急速な円高と重なり先の見えない状況でした。それを象徴するかのような「24時間闘えますか?」のCMがガンガン流れていました。何とか持ちこたえた日本メーカーでしたが、それから30年で様相はガラッと変わってしまいました。だれも想像できなかったことですが今やアメリカンブランドのスマートウォッチが席巻しています。自動車も一気に電気自動車に移行しています。斯様に世の中の変化に人の感覚が引きずられます。ガラッと変わってしまうことは人物の見方にも多々あることです。一世代経ったとして当時の判断の白黒は意味のないものになってしまいます。誰かが判断するにしても、国が強制することだけはあってはならないことです。
posted by 代表 at 18:44| 日常