
国産鉄道時計が製造可能になる前は外国の堤時計が代用されました。量産体制をひいたアメリカ製の堤時計が世界一の評価を得ていましたし、生産年代がわかるナンバーも彫刻されています。最も使用されたのがウォルサムですが、鉄道時計の初期はグレードの低い7石の模様も無いシンプルな機械が入っていました。この堤時計も1918年製ですから105年前に作られたことになります。それでも全員に配られることは無かったでしょうし、上位の職制者は石数の多い高グレードの時計を手に入れていたようです。見栄と時計は付いて回る話題でした。時計と靴を見れば生活水準がわかるという戯言が取り上げられることもありました。昔仕様の縮小した時計市場ではそうした冗談も懐かしいものになってしまいました。